折り合いをつける
これからの社会の中で生き抜いていくためには「折り合いをつける」能力が大切だと言われています。新しい幼稚園教育要領でも「学びに向かう力、人間性等」の項目の中で「折り合い」がキーワードの1つとなっています。
子供は、成長するにしたがって1対1の小さな関わりから、家族、友達、社会へと人間関係の輪を広げていきます。輪が広がってくると、意見の対立や、自分の思い通りに進まない現実に直面します。そのようなとき、相手と「折り合いをつける」能力が重要なカギをとなります。
子供が「折り合いをつける」能力を身につけていくには、親は普段どのように対応していけば良いのでしょうか。例えばおもちゃの取り合いになった場合、そのおもちゃを相手に渡せない理由を考えさせましょう。「こっちにもおもちゃがあるよ」「このおもちゃはどう?」などと言葉のやり取りをする。そうすると「これじゃなくちゃいや」、「僕のだから」など、いろいろな言葉がでてくると思います。言葉のやり取りの中で相手も楽しく遊びたいということに気づくことが大切です。
そこで「順番に使おう」、「一緒に遊ぼう」などの言葉で提案してみる。その言葉によって、お互いに譲り合った方が気持ちがすっきりすると感じられれば成功です。もし、納得がいかなくても、お互いにそれぞれの思いを出しながら、話し合いを続けることで子供は「折り合いをつける」ことを少しずつ学んでいきます。
「折り合いをつける」ということは、互いにある程度譲り合って双方が納得できる妥協点をみつけることです。自分の要求がすべて満たされなくても、それでいいとすることです。
子供は大人を手本にして成長していきます。日常生活の中でおこる大人の問題を「相手も何とかしたいと思っている」「いいんじゃない」などという姿勢や寛容性で解決していくところを見せることも、折り合いをつける力を身に付けさせるために大切なことです。
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