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2020年9月18日 (金)

あとから伸びる子(その2)

 私は中学校で数学の教師をしていました。今、非認知能力の大切さについて考える中で、数学の学力に関してその通りだなと思うことが多くあります。今回はこのことについて書きたいと思います。
「わかる」「できる」ということだけを考えてみると、わかる子、できる子はすいすいと問題を解決して正しい答えを出します。これは「認知能力」が高いということになります。わからない、できないけれど何とかそれを解決しようと頑張る子もいます。この場合、認知能力は低いが非認知能力は高いということになります。


 認知能力が高い子供に、より難しい問題を出します。この時、自分でできないと思うとすぐ諦めてしまう子供がいます。この子供は認知能力が高いが非認知能力は低いということになります。このタイプをAタイプとします。逆に認知能力は低いが諦めずに頑張る子供をBタイプとします。
 AタイプとBタイプを比べてみたいと思います。Aタイプの子供はできる問題はよくやるが、できない問題になるとすぐにあきらめてしまいます。実際できてしまうことが多いのでできないということに向き合う訓練ができていない傾向があります。このタイプの子供はだんだん数学が苦手になってきます。
Bタイプの子供は自分でできない問題があると、粘り強く挑戦しようという気持ちがあり、それが大切という価値観があるので、別の角度から考えたり、進んで教わりに行ったりします。時間もかけているのでわかったときにはほとんど問題も覚えています。わかったときの喜びも大きいものがあります。
Bタイプの子供は最初のころは、Aタイプの子供に認知能力としては劣りますが、だんだん時間がたつにつれて認知能力でもAタイプを追い越していきます。これが後から伸びる子の特徴かと思います。
目指すところは認知能力が高く、非認知能力も高いという子供ですが、仮に認知能力が低くても非認知能力を高める指導をしっかり行っていくことで認知能力も高まっていきます。


 非認知能力が高いと後から伸びていく子供になるということを一例をあげて書きました。今は「諦めずに頑張り続ける力」という非認知能力を取り上げましたが、様々な非認知能力があります。それらが、学習や社会生活を営む上で大切なことになってきます。いずれにしても人生の大きな基盤となる力ですので、神川幼稚園ではこの力を高めて小学校に送り出したいと考えています。

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